登録販売者の試験問題でこんなのが出たことがあります。
三黄瀉心湯に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 本剤は、胃の不調を改善する目的で用いられる。
b 高血圧の患者は、本剤を使用できない。
c 本剤を使用している間は、瀉下薬の使用を避ける必要がある。
d 本剤は、ダイオウを含むため、母乳を与える女性では使用を避けるか、又は使用期間中の
授乳を避ける必要がある。
a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤
答えの前に三黄瀉心湯の構成を見てみましょう。
三黄瀉心湯の構成生薬は黄連(おうれん)、黄芩(おうごん)、大黄(だいおう)の3つからなります。
金匱要略では普通に「瀉心湯」と呼ばれています。
黄連と黄芩の構成は「瀉心湯類」とも呼ばれます。
瀉心
とは心に詰まりがあり熱を持っている状態を改善することを言います。
心を瀉す、すなわち熱を冷ましたり、つまりを取ることを意味します。
3つの構成生薬の働きから見ても熱を冷ます生薬ばっかりで納得ですね。
中医学においては心に熱を持って詰まっている状態では血が熱を持って暴れだすとされるので鼻血、痔の出血、また落ち着かなかったり、不眠などの症状があるとされています。
登録販売者の漢方の説明文では
三黄瀉心湯は、体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、だらだら出血が長引いている人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。
のぼせや顔面紅潮、のぼせの症状熱を持って頭の方にまわっているからと理解すると覚えやすいと思います。みぞおちのつかえがあるから瀉心しなければなりませんでしたね。高血圧の随伴症状も熱を持った血が暴れているとイメージしたらなんとなく理解できそうです。
問題の答えは
a 誤 胃腸を改善する薬ではありませんでした
b 誤 高血圧の人に使えます
c 正 大黄が入っているので他の瀉下薬とは避ける必要があります
d 正 文章の通りですね。
これで三黄瀉心湯のイメージはつかめたかと思います。